再び熱を 

どんなに寒い冬の日であろうと、愛する人と一緒ならば凍えることなどない。
いままであつくのぼせていた身体を密着させていれば、なおさらだ。




すっかり静寂に包まれた暗闇の中、そっと眼を開ける。
いままで顔を埋めていた逞しい胸板から顔をあげ、愛する夫の表情をうかがう。


規則正しい呼吸を繰り返し………左之助は寝ている。



今夜もいつも通りというべきか、左之助が千鶴を求めた結果、肌を合わせた。


いくら日本を離れ身の危険を案ずる必要が無くなったとはいえ、こうも連日行為を
進めてしまっては……



当然、千鶴の身体への負担は生半可な物ではない。
今も腰がぎこちなく痛む。
事を終えて眼を覚ますといつも気だるい。
それでも左之助の誘いを断れない辺り、千鶴も嫌々では無いと言うことは明白なのだが。



左之助は決して千鶴をいたわっていないわけではない。
その証拠に、次の日どこか眠そうに行動する千鶴を見て、左之助はいつも曖昧な表情を
浮かべる。



どこか後悔しているような。



以前、羞恥心を抑えてそのことを左之助に尋ねたことがある。
なぜ、あのような眼をするのかと。

そう思い詰めた様子で尋ねる千鶴に、左之助は一瞬だけ驚いたように眼を見開き……
いつものような余裕のある笑顔でぐしゃぐしゃと頭をかき混ぜられた。



“お前が大切なんだよ”。




強く身体に回される左之助の腕はいつも千鶴を離そうとしてくれない。
寝ている今でさえも、身体をわずかにずらすことさえ叶わない。



燃えるような、綺麗な赤い髪に手を伸ばす。

普段は身長差から触れることが出来ないそれは、硬質ながらもさらさらと指に馴染んだ。
左之助が寝ていることをいいことに、ゆっくりと梳いていく。


「………さのすけ、さん」



未だ呼び慣れないその名前。

一字一字を噛みしめるように呟くと、千鶴に回される腕の戒めが強まった気がした。
慌てて手を引っ込ませようとするが、左之助は眼を閉じて眠ったまま。




……いつも事が終わったあとは千鶴が眠りにつくまで、左之助が優しく大きな手で
頭を撫でていてくれる。

だから、今日は私が左之助さんを見守ってみようと。





じっと端正な顔を見つめていると、ひどく幸せな気分になる。
冷めやらぬ身体の奥で心臓が早く鼓動を刻んで、なんとなく恥ずかしい。



あぁ、貴方が、愛しい。愛しい。愛しい。





「………、愛しています、左之助さん」
「……俺もだ」




返って来るはずがないと思いこんでいた、答えの意味を飲み込む間もなく、左之助に
覆い被さるように組み敷かれる。


呆気にとられている内に目の前に映るのは、意地悪そうな笑みをたたえた左之助と
肩越しの天井。



「……っ、お、起きてたんですかっ……」
「あんなことされちゃ、寝てられねぇだろ」




先程まで独り言のつもりで発していた言葉を思い出し、顔が熱くなる。

包み隠さず聞かれていたかと思うと、顔から火が出そうなほど恥ずかしい。





千鶴が恥じているのを知ってか知らずか、暖かくぬくもりをもった布団の中で
左之助が足を艶めかしく絡ませる。これで、千鶴は動けない。



左之助がこうする時は決まっている。
それは、愛をせがむ時。





「なぁ………今からもう一回、しねぇか?」






まだまだ甘い夜は終わらない。










END.....




なんかエロいな(笑

原田さんは何をかいてもアダルトに突っ走るという謎。

原田さん→アダルト
アダルト→原田さん  みたいな^^


短編でよければすぐにでもかけますので、リクエストはご遠慮なく!
ていうかネタ着きやすいんで助けてください←

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